違和感

人通りの多い道。
すれ違い様にいきなり名を呼ばれれば誰でも驚くだろう。

「おや、 じゃないですか」
「―――!?」

名を呼ばれてビックリして振り向くと、そこにはいつもと違う服のジェイドがいた。

「じ、ジェイド…」
「お久しぶりですね、
「ひ、久しぶり…」

突然のことで驚きを隠せずにいる
それを見て、ジェイドがどうかしましたかと聞く。
には、それさえも聞こえていなかった。

―――あぁ、そうか。
久しぶりと言っても然程長い間ご無沙汰だったわけではない。

―――いつもと、服が違うから。
だから、違って見える。
いつもは青基調のマルクトの軍服を着ているから。

―――だから、か。

「… ?  大丈夫ですか?」
「えっ、あ、ジェイド、か…」
「さっきから何か変ですよ?」

―――だから、目が離せなくなってる。

「熱でもあるんですか?」
「ないないないない。何でもないです大丈夫です。ご迷惑おかけしました」

ぺこり、とお辞儀をして はすたこらと元より向かう方向だった方へと逃げるように居なくなっていった。

「大丈夫ですかねぇ…」

 

「…あんのばっかやろ…!」

見惚れているのに気が付かないのか。
普段ならばそういうことですら気付いてしまうヤツなのに。

「ぁああっ、もう!」

路地裏で叫ぶように上がった声は、表通りの人ごみによってかき消される。

「反則だよ…あんなの…」

―――余計、惚れてしまったじゃないか。

「馬鹿ジェイド…」

意気消沈した の頬は紅潮したままだった。

BGM:未來のイヴ(ALI PROJECT)
2006/04/06