プリズム。

「…多面体かー…」
「何ですかいきなり?」
「いや、プリズムの話」
「唐突ですね」

溜息を吐き出しながらジェイドは言う。

「まるでジェイド」
「何がですか?」
「向きによって輝きを変える。それがジェイドみたいだと私は思う」

何故ですか、そう聞くジェイドに笑う

「私は喜怒哀楽が激しいわけでもありませんよ?」
「そういう意味じゃなくて。時に優しく、時に厳しく、時に強く、時に弱く、時にお茶目。考えてみると一番変化球なのはジェイドなんじゃないかって」
「…どうしてそう思うのか不思議ですよ」

貴方の行動がモノをいうのよ。
そう笑いながら言う にジェイドは呆れる。

「それがまるでプリズムみたいなの。気付けばころころと変わる貴方が」
「―――
「何?」
「そこまで私を見ているとは余程の物好きですね」
「暇人って言ってちょーだい」

あははと笑いながら は椅子に凭れ掛る。

「つい暇だと人間観察したくなるのよねー」
「嫌な癖ですね」
「ジェイドだって同じことするくせに」

笑いながら はそう言う。

「でもさ、普通」
「?」
「…好きでもなきゃ、そこまで見てないわよ?」

ジェイドから視線を逸らして。
そう、呟く。
それに一瞬驚いて、動きを止めるジェイド。

「そーゆーこと」

くすっと笑う の頬は僅かに赤らんでいる。
――― よりも、普段顔を崩さないジェイドの方が崩れていたのだが。

2006/04/09