彩。

彩る。
1.色をつける。彩色する。
2.化粧する。
3.さまざまの色や物を取り合わせて飾る。
4.おもしろみや趣などを付け加える。

この意味の中に、私は付け足したいものがある。
でも、それを付け足してもそれは自分辞書。
誰にも通用しない自分だけの辞書。

5.恋をする。

そう、私は付け足したい。

何でかって?
だって女の子は恋をすると色付くでしょう?
美しくなるでしょう?

だから、私は「彩る」にその意味を勝手に追加してみた。

そのことを彼に言ったら馬鹿にされた。
それはいつもの事になりつつあってもうそんなに怒ることもなくなった。

「本来の意味とは違うじゃないですか」
「だから言ったじゃない、私の私だけの辞書だって」
「まぁ、それは構いませんが他の人にそれを感染させるなんて事はしないでくださいね」
「感染って…!!!人をウイルスみたいに!」

ぷくっと頬を膨らまして はぽかぽかとジェイドを叩く。
実際それは痛くも痒くもないほど弱いのだが、その反応を見てジェイドは彼女に気付かれないように笑った。

可愛い。
そう思いながら。

彼女が「彩る」に追加した5番目の意味。
それは確かに、言える事かも知れない。


「何よぅ!」

今にもジェイドなんか嫌いだ!と言いそうな顔で返事をする。

「寧ろ、私の方が感染させられてますよ」
「―――?」
「『貴方』にね」

もうそれは判りきっていたことで。

その後、彼女は今日初めて、微笑んだ。

2006/04/23