届かぬ叫び

「ジェイド…!」

その顔を見るのは、両者共に4年ぶりぐらいだった。
『あの時』引き止めていればこんなにも長い時間会わないなんてことにはならなかったのに。
そう悔やまれる。

名を呼んで、 は足を止めた。
彼の隣に、キムラスカの王女―――そう、ナタリアが居たのだ。

「おや、 ではないですか」
「あ…ひ、久しぶり…」

どうにも、声が出なくなる。
女が言い寄るのは今に越したことじゃない。
そう判ってる。

だけど、今回ばかりは、と思った。
隣に居るのが、ナタリア様だから。

「すみません、ナタリア。先に失礼します」
「えぇ、また後日」

その会話すら引っ掛かりを感じてしまう。

「… 、どうしましたか?」
「あ、いや…なんでもないよ、うん」
「そうですか?」

それなら良いのですが。
そう続けるジェイドを一度見て顔を逸らす。

 

彼のことは昔から好きだった。
好きで好きで、たまらなくいとおしくて。

無理だ。
一国の姫相手に勝てるはずがない。

ぽたぽたとこぼれる雫。
それに驚くジェイド。

「っ、 !?」
「な、んでもな…いっ…」
「何でもなくないでしょう!?」
「何でもないんだってば!!!」

そういって、 はジェイドから逃げるように駆け出した。

 

 

やっぱり届くことなんてないんだ。

 

さよなら。
恋心。

BGM:disillusion(タイナカサチ)
2006/04/30

ジェイナタ勘違いオチ