真実は変わらずに輝いていて

、そこの書類陛下に持っていってくれますか?」
「了解です」
「急いで誰かにぶつかったりしないでくださいよ」
「わ、判ってますよ…!」
「貴方が先日フリングス少将に―――」
「判ってます!判ってますから言わないで下さい! 行ってきます!」

そういって突風のように消え去る を見て、ジェイドは笑う。
こうして自分が笑っているということに気付いたのは、つい最近だった。
それと同時、『それ』が判った。

が好き。
そういうことが。

「また誰かにぶつかってそうですねぇ…」

そして書類をぶちまけて。
それを整理するのに時間がかかって。
結局、帰ってくるのが遅い。
そうやって判っていても、 が戻ってくるまでの時間が待ち遠しい。

何をするわけでもない。
ただ、 を見ていたいだけ。

「ちゃんと陛下に渡してきましたよー」

声がして、あぁ今日はぶつからなかったんだな、と心の中で呟く。

「ご苦労様です。さて次にそちらの書類に判を押してください」
「―――それって大佐がやるべきお仕事でしょう」
「いえ、私は別に仕事がありますので。では、行ってきます」
「え、ちょ、ちょ、行ってくるって何処にですか!」
「これから任務なんですよ」

呆れ気味にそういって、ジェイドは席を立つ。

「その間、私の仕事を肩代わりしてもらいます」
「そ、そんな多大すぎますよおおおおお!!!」
「…というのは嘘です。」
「…〜!!!」
「でも任務なのは嘘ではありませんよ?」

その間、貴方は陛下の傍に居てください。
私の代わりに。

「いいですね?」
「判りました―――」

そうして出て行こうとするジェイドを は呼び止める。

「―――何か?」
「お見送りさせてください」

そういう に他の人間には絶対に見せない笑顔を見せてジェイドは言う。

「有難う御座います」
「頑張ってください。私、大佐が帰ってくるの待ってますから」

そうじゃないと、陛下に何されるか判りません。
そういう にジェイドは苦笑して返す。

「そうですね。早めに帰ってきますよ」

貴方の為に。

 

 

私がを好きということが、 真実で。
その真実は、決して消えることはない。

けれど、彼女には、そのときが来るまで言わないでおこう。

 

好き、というその言葉を。

2006/05/14