マシンガントーク

「ねーねージェイドー」
「何ですか

いつもこうして会話が始まる。

「この前ね、物凄く面白い物見つけたのー」

彼女は
記憶喪失で保護され、ピオニーの陰謀でジェイドの隣の部屋にいて尚且つジェイドが面倒を見ている少女。

「面白い物、ですか」
「うん、ブウサギのストラップ!」

その言葉に、ジェイドはぐったりと呆れる。

「……………陛下ですね…」
「うん!ジェイドもあったよ!」
「…そうですか………」

にっこりと笑っているものの実際はピオニーに対して後で絞めてやる…と怒っていた。

「サフィールもネフリーもあったんだよー!」
「そうですか。……………あいつ…本当に後で絞めてやりますか…………」
「…?どうしたの、ジェイド?」
「いえ、何でもありませんよ」
「そう?あ、それでねそれでね!」

彼女のマシンガントークは続く。
仮にも公務中なんですけどねぇ。
そう思いながら、 の話は適当に流してペンを走らせる。

「ジェイド聞いてる?」
「聞いてますよ」
「何かいつにも無くスルーされてる気がするんだけど」
「それは気のせいです」

ふと視線を上げてそう言った。

「むぅ」
「何を唸りますか」
「だってさー…ジェイドに無視されてるみたいで嫌なんだもん」
「仕事は終わらせないといけませんからねぇ…。無視をしているわけではないんですが」

実際は殆ど無視をしているも同然。

「じゃぁ仕事終わればちゃんと話聞いてくれる!?」
「そうですね、仕事が終われば」
「じゃぁそれまで静かにしてるね!」

はぐっとガッツポーズをする。

(また夜中喋っていて結局先に寝るのは なんですから…)

けれど、それを拒否しないのは。

(惚れた弱みです)

明るく振舞う彼女の笑顔が脳裏に焼きついて離れない。
ジェイドの仕事が終わるのを待っている彼女の姿を見て安心すらする。

「私もダメですねぇ…」
「ジェイド?」
「いえ、独り言です。気にしないで下さい、
「あ、うん…。仕事頑張ってね!」

ちゃんと静かにしてるからね。

2006/04/02