Squall

朝、起きてから仮面をつけないまま本を開き、直後に来襲した少女をさらりと流し、呆れる。
しかし聞こえてきた足音に本を読み始める。

「ね、ジューダス、 知らない?」

問われて、今朝から見てない、と返すと少年はうーんと唸りだした。
仮面取ってるの珍しいね、と言われたが出かける必要が無いからしていないだけだ。

もし に何かあったらどうする?と聞いてくるが、僕には関係ないと返す。
するとジューダスの薄情者!なんて言われ、あいつは走り出していった。

「…で、お前は何がしたい」

ぱたん、と読んでいた本を閉じて、目配せする先。
あはははは、と苦い笑いが聞こえてきた。

「ちょっと、とある夜の一件でカイルとリアラに追われておりまして」
「行き成り来て『匿え』はないだろう」
「理由話してる時間が惜しかったんだよー。許してよ、ジューダス」

この通り、と手を合わせてお辞儀をする彼女に別に気にしていないと返す。
また何かしたのだというのは判っていたから、この程度のものなら別に構わなかった。

「嘘が上手そうな人を考えるとジューダスかハロルドなんだけど…ハロルドは何されるか判らなかったからさ、ごめんね、本当」

ナナリーかロニに匿えといった暁には見つかることが約束されるも同然だ。
隠すのは本当に苦手なんだな、と前に判っていた。

「しかし『僕には関係ない』は酷いな。本気で消えたら心配ぐらいしてよ、仮面ストーカー」
「五月蝿い、黙れ。今は仮面をつけてないだろうが。仲間ではあるがそこまで深入りした覚えは無いぞ」
『坊ちゃんはこう言ってますけど、実際そんなことが起きたら居てもたっても居られなくなりますよ』
「お、シャルティエ、久々ね」

ソーディアンの声が聞こえる に余計なことを言うのはシャルティエ。
ムカついたのでコアクリスタルを殴打しておいた。

『痛っ!坊ちゃん酷い!!!』
「お前が五月蝿いのがいけない」
「そうよ、酷いよ坊ちゃん」
、お前も黙れ」

再度開きかけた本を閉じ、立ち上がる。
少し苛ついたオーラが にも感じ取れた。

「どした、ジューダス」
「その減らず口、どうしてくれようかと思ったところだ」
「あーっはっはっは、減らず口はいつまでも減りません私が生きてる限りね」
「減らなくとも、止めることは出来るな」
『わ、坊ちゃんったら大胆ですねー』

行き成り入って来た声に、項垂れる。
こいつの頭…いや、コアは何を考えた。

「…折られたいか、シャル」

不吉な笑みすら醸し出す勢いで言うジューダスに嫌だぁあああそれだけは勘弁して坊ちゃぁあああああん!!なんて叫ぶシャルティエ。
ああ、朝からコレは五月蝿いぞ、確かに。
ぶーぶーと文句を言いながら邪魔者はどいてますとまで言われる。

まだ朝だぞ、お前の頭は何を考えた。
思わず まで突っ込む。

「まぁ、強ち間違いでもない」
「えぇー、間違いじゃないの? 口止めにお決まりなあれですかー?」
「あぁ、そのお決まりだ」

ふっ、と笑うジューダスに、じゃ、と逃走体制を取る
彼女の腕を掴んで、逃がさなくする。

「あ、のー」
「折角匿ってやったんだ、礼くらいほしいところだがな?」
「怖いっす、ジューダスさん」

カクカクカク、と頭を出口の方面へ向ける。
しかしそれは直ぐに正され、ジューダスを直視する羽目になる。

―――仮面を取った、その端正な顔立ちを。

「ずるい」

思わず出てしまった一言。
何が、と聞かれるのは当たり前。

「存在自体」
「酷い言われようだな」
「もっと具体的に言おうか? 私を惹きつけて離さないあんたのその顔がずるい」

そういうと笑われる。
本当に減らず口だ、と言いながら。

「その減らず口、減らしてやろう」
「望むところですジューダスさん」

そう言って、直ぐするり、とその拘束を抜ける。
よし、これでOKと心の中で小さく呟き、扉へと逃走しようとした直後だった。
―――後ろから、抱きすくめられたのは。

「甘いぞ、
「本当素早いですね、あんたは」

呆れすら出てくる。
流石にこれ以上は逃げられないようだ。

「大人しく、塞がれる事にします」

その言葉に降ってくるのは、不要なまでの口付けの雨。

BGM / 愛をこめて花束を(Superfly)
2008/03/22