すき、だいすき。

(すき)

 チャンピオンに勝ったことを真っ先に伝えに言ったのは、あの人だった。あの人はおめでとうって太陽みたいな笑顔で言ってくれた。あぁ、この人の笑顔って本当に好きだ。単にそれは人として、その笑顔が好きだった。今は、その『好き』が恋愛の意味を持つ『好き』に変わってしまった。勿論あの人は気付いてない。

 私は今日、クロガネにまた来た。でも時間が遅くてヒョウタさんには、もう会えない。会おうと思えば会えるけれど、でも、普段忙しいあの人を無理やり起こすのも申し訳ない。休めるときにはしっかり休んでほしい。だから、明日の朝一番にあの人に会いに行くって決めたんだ。大好きなあの人のところに。

 私はぼすん、とベッドに横たわってニット帽を取って無造作に投げる。疲れた、と言う言葉と共に。彼の疲れとは比にならないって判っているけれど。

「ヒョウタさん……」

 すき。だいすきです。
 あなたが、いちばんだいすきです。

2007/10/09
2015/05/23加筆修正