シュレアリスト

「15歳が言う台詞じゃないだろ、それ」
「そんな事言われても。実際、現実はもっと厳しいし」
「リアリストだなぁ、フェアは」
「現実見ないと、やっぱりどうしようもないと思うんだよね」
「それは、最もな意見だけどさ」
「だから、お兄ちゃん?」
「いや、そうは言われても、なあ……」

 やっぱり、無理だよ。グラッドがそう呟いてから溜息を盛大に吐き出す。

「一発言って、玉砕して来ればいいじゃん」
「お前なあ……」
「返される言葉が判りきってるから嫌なの? それともお兄ちゃんのミントさんへの想いはそんなものなの?」
「…………」

 15歳の子供に、軍人が説教をされている姿。それを、リシェルとルシアンは後方から見、ひそひそと話し始める。

「フェアってさ、超現実主義よね……。一人でお店切り盛りしてるってのもあって、そういう感覚は私たちのなかで人一倍よね。あ、ねえねえルシアン、現実主義と超現実主義って違う言葉なかったっけ?」
「リアリズムとシュルレアリスム? 確か、現実主義者のことをリアリスト、超現実主義者のことをシュレアリストっていうんだよね」
「そうそれよ。リアリストっていうよりは、シュレアリストよねフェアって」
「そうだね」

 ○ ○ ○

「……前者の方が強いんだと思う、俺は。気持ちに偽りは無い。けど」
「……そう割り切れないなら諦めればいいじゃん」
「きっついこと言うなあ、お前……」

 言いながら顔をしかめるグラッドにフェアは、まったく、と短く溜息を吐き出しながら、グラッドの前にココアを差し出した。

「とりあえず、落ち着いたらいいんじゃない? 今後どうするかっていうのは後回しで」
「さっきまで早く行ってこいだ何だ言ってたくせにそれかよ」
「あんまり考えすぎてもダメじゃん?」
「そりゃそうだけど」

 納得がいかない、と言う感じにグラッドは溜息を吐き出した。

 一度告白して玉砕してしまえ。
 上辺だけ応援していてあげるから。

2006/12/20,2012/09/22修正