良薬は口に苦し

「『かんぽー』も結構驚いたけど、乾物もすごい驚かされたよ」
「はっはっは。シルターン式の料理はリィンバウムでは珍しいだろうからな」
「でも、本当……、セイロンって何でも出来るのね」

 刀も、弓も。料理だって。人としても。
 飄々として掴みどころがないけれど、根はしっかりしているし、御使いのみんなをまとめているし。

「……、すごいね」
「そんなに誉めるようなことでもなかろう? 店主も一人で店を切り盛りしているし、武術にも長けておろうに」
「それもこれもあのバカ親父のせいよ」
「あっはっはっはっは! まさしくもそれは『良薬は口に苦し』であるな!」
「何、それ」
「忠言や諫言は聞くのが辛い分、自分のためになることの喩えであるよ。シルターンでよく言われていることわざだ」

 その言葉に、フェアはへぇと短く感嘆の溜息を出した。

2006/12/20,2012/09/22修正