引き寄せるちから

 危なっかしい、せわしない人だ、と思っていた。こんな人が召喚師だなんてと最初のうちは、ちょっとばかり嫌悪もした。こんなので大丈夫なのか、という心配もあった。
 だけれど、いつの間にか彼女に頼られると嬉しく感じていて、この人のために鎚を持ちたい、この人のための剣を作りたいと思った。

 行動を共にすればするほど、その思いは強くなった。
 口にした言葉を実現させるために、なんとかしようとする彼女を手助けしようと人が集まる。
 相手を信じ、信じてもらう。簡単そうなことでとても難しいことを、いとも簡単にやってのける。たとえ、相手が犯罪者であろうとも困っていれば協力を惜しまない。 彼女は、底抜けに「いい人」、なのだ。

「こんにちは、トルクいる!? 密猟者を捕まえるの手伝って!」
「突然現れたと思ったらなんなんですか!?」
「ちょうどこっちの方に逃げられちゃって……そういえばトルクの作業場もこっちだなって思い出して」
「はあ……まったく、本当にあなたって人は……。わかりました。いくよアンヴィル!」
「メラ~!」

 そんな彼女に頼られると、不思議と手を貸してしまうのだ。

2013/05/27